Apr 24, 2005

ミッションクリティカル

今日、トレンドマイクロのウィルスバスターでパソコンが動かなくなる障害が起きたらしい。

最新のパターンファイル(ウィルスを検知する情報ファイル)に問題があったようだ。適用するとCPUを100%使い切ってしまって他のプログラムがほぼ動かなくなるらしい。

トレンドのサイトで確認してみたら、この障害はWindows XPサービスパック2を適用したパソコンと、Windows 2003 サーバのみで起こるようだ。最新OSでだけ起きる問題ということなので、原因はテスト不足の可能性が高いように思う。(検証マシンを用意してなかったのか、単にテスターの怠慢かも)

まだ公式見解は出ていないが、トレンドマイクロの非は確実だろう。ウィルス対策ソフトがこれだけ普及した今、製造元の社会的責任は随分と重くなったのだなと改めて実感してしまった。かなりニュースで騒がれているようだ。損害賠償騒ぎに発展しそうな雲行きである

パソコン同士がネットワークで繋がれて、通信するのが当たり前になった。おかげで情報のやり取りが飛躍的に便利になったが、代わりに発生するトラブルも規模が大きくなり被害も甚大になった。たかが数千円のウィルス対策ソフトが、悪意は無いのに大企業の業務を止めてしまう爆弾になってしまうのだ。

これは怖い話だ。個人が普通に使用している市販ソフトと同じものを、ミッションクリティカルな業務を遂行している企業のパソコンでも採用している現実。

止めてはならないコンピュータには、もっと別な対策をとるべきではないのか?ウィルスソフトなんて不安定なソフトを使わなくてもよいように、外部ネットワークと遮断し無菌状態の中で運用するとかいった方策を検討すべきだと私は思うのだ。

トレンドに限らず世の中のウィルス対策ソフトメーカーは、今のままでは少なからず今回と同様の事故を引き起こす危険性を抱えている。過去にも更新ファイルの不具合による事故はあったし、実際に被害を受けたこともある。ただ今まで表沙汰になっていなかっただけなのだ。

パソコン用ソフトというものは、実はとても作り難い代物だ。他の家電などと違って、色んなオプションパーツや周辺機器が付けられるし、多種多様なソフトウェアがインストールされている。まったく同じ環境のパソコンなんかないに等しい。全世界のパソコンが一台一台オーダーメイド製品みたいなものなのだ。

そんな状況下で、「どのパソコンでも正常に動くソフトウェア」なんて現実として作れるワケがないのだ。ユーザーとして許される話でないことは重々承知しているが、市販のソフトウェアは「あなたの今のパソコンで正常に稼動することは保証しない」。あるソフトをアンインストールすれば動く。あるビデオカードを外せば動く。なにかを諦めないと使えない。あなたのパソコン専用に作られたソフトではないから、こればっかりは仕方ないことなのだ。

市販ソフトなんてそんなものだ。不特定多数に向けて開発されているから、多くのパソコン上で動かすことを目指してはいるけれど、全てのパソコンで動かそうとは思っていない。完璧を求めてはいないのだ。

ウィルス対策ソフトも市販ソフトだ。完璧じゃないソフトをミッションクリティカルな業務用のパソコンに入れちゃいけないのだ。動かなくなってもおかしくないソフトなんだから。。。

今回の騒動でシステムダウンしてしまった企業には、障害対策のやり方を見直して欲しいと願うものである。

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